もう2か月ほど前の話ですが、ボクたちの家づくりについて、病院で講演をさせていただく機会をいただきました。
講演をさせていただいた病院はリハビリテーション専門の病院で、主に高齢者さんが脳卒中や骨折など大きな疾患を発症され治療を行った後に、自宅に戻るためのリハビリテーションを専門で行っていらっしゃいます。
患者さんの身体機能の回復専門なので、例えば脳卒中で半身麻痺の患者さんが、「冬の寒い日に夜間トイレに行くために廊下を歩く」という場面では、理学療法士さんは
「トイレまでに段差はないか」「トイレに手すりはあるか」
といった、歩行や立ち上がりという「動作」に支障がないかどうかのアドバイスをされます。ただ、
「寒いところへ出ると、筋肉の緊張が高まり、通常の動作が行いにくい」
といった室内の温度差に着目することまではなかなか難しく、「住宅の室温が、人間の健康、動作などに大きな影響を及ぼしている」ことについて理解を深めたいとのことで、理学療法士さんや作業療法士さんなどに、ボクたちが普段から家づくりにおいて取り組んでいる、室温と健康についてお話をさせていただきました。
この講演をさせていただいたのは、野球の名監督でもある、野村克也元監督がお亡くなりになった直後でした。詳しいことはわかりませんが、おそらく野村元監督もいわゆるヒートショックで亡くなったのではないかと憶測できるんです…
野村元監督の家があったかければ…まだ…って考えちゃうんですよね。
家づくりの本質は健康と安全だと思います。
室温が健康に大きな影響を与えていることは、まだまだ知らない人が多く、住宅業界の人間でも、危機意識を持っている人はさほど多くないと思います。
この日本の住宅業界の悪しき常識を、壊していきたい!
健康で暮らせる家を一つでも多く増やしていきたい!
と改めてこの講演の機会をいただき強く思いました。